不妊治療に関するQ&A 不妊治療のQ&A 流産編


流産とは、妊娠22週未満の時期に妊娠が中断してしまうことをいいます。
 その原因の約7~8割は染色体異常といわれています。染色体異常の多くは、 精子、卵子がつくられる過程、あるいは受精時に偶発的に起こるため、 これ自体を予防したり治療したりすることはできません。
 そして、加齢による卵巣機能の低下、卵子の質の低下も 染色体異常の確率を上昇させるといわれています。
 そして、流産を繰り返す習慣流産や不育症の場合は、検査や治療を行います。



 子宮外妊娠後、反対側が子宮外妊娠になることは経験上よくある事です。子宮外妊娠の原因のひとつにクラミジア感染症があり、抗クラミジア抗体が卵管上皮を障害するといわれています。
 したがって、この場合、反対側の卵管も同じように障害されていることが多く、同じ事が起こる率は高くなると思います。詳しい確率は調べてみないとわかりません。体外受精で子宮外妊娠になる確率は1~5%です。一般的にはもっと低いと思いますが、片側をやっている人はずっと高い確率で対側にも起こると思います。
 子宮にメスが入ったわけではないので、私なら術後の避妊は2ヶ月ぐらいでいいでしょうとお話します。

 子宮外妊娠後はいろいろな条件が悪くなり、妊娠率が悪くなる事はわかっています。そうでなくても2年間妊娠しなければ続発性の不妊症と言ってよいでしょう。

 染色体異常は受精、卵割の段階で常に起こっています。もともとの精子・卵に異常がなくても卵が成長する過程で非常に高率に異常が発生します。流産の場合、8割ぐらいは染色体異常とも言われています、体外受精で発育の悪い卵の多くは染色体異常ともいわれています。したがって、数個~十個に1個ぐらいしか全く正常な卵はないと言われています。卵や精子そのものに異常がなくても途中の段階で異常がでるので、卵や精子を調べても意味がありません。
 もし調べたとしたら、その卵や精子は生きていませんので、利用できません。また精子の染色体は非常にコンパクトにたたまれているので、通常の方法では簡単に調べられません。詳しく調べるなら動物の卵へ入れてほぐして調べる事になります。
 精子形態異常と染色体やDNAの異常とはあまり関係がないと思って下さい。
 私は顕微授精の専門で、その研究の過程で卵の異常や受精現象をみてきました。不育症を専門にはしていませんが、不育症は逆にいえば4~5種の治療法しか今のところありません。診療上できる事は限られているわけです あなたの場合、実際3分の2は受精卵の染色体に異常があったので、流産の原因が受精卵にある事は明らかで免疫的な事とは思えません。異常な卵は決してめずらしい事でなく、流産あるいはそれ以前に成長がほとんどの場合止まるわけです。
 人間がひとりできるという事は、逆に非常にうまくいった時だけと考えたらどうでしょう。たまたまあなたの場合、卵が異常にもかかわらず、すぐ成長が止まらず妊娠反応が出て、それ以上のところまで成長してしまったと。卵が元気すぎたと前向きに考えて治療を続けて下さい。

 遺子治療は遺伝子の一部の欠損等により、特定の蛋白、酵素がない場合の治療法です。染色体は多くの遺伝子の集合体ですので、今のところ染色体の異常を現時点の技術で治療することはできません。
 残念ながら、市民病院、大学病院の先生がおっしゃった通りです。着床前遺伝子判断も卵の段階で正常と異常を区別し、正常な卵を子宮にもどす技術ですので、遺伝子の組合せで正常卵ができなければ対象になりません

 習慣流産の治療は限られています。

  1 プレドニンの服用(ステロイドホルモン)

  2 低用量アスピリン(バファリン81mgの服用 )

  3 毎日のヘパリンの注射

  4 リンパ球治療

 基本的に以上の4つです。1と2と黄体ホルモン補充は習慣流産だけでなく、体外受精の人も全員行っています。4は希望があれば行います。3は毎日注射ですが、希望があれば行います。資格があれば自己注射でも可能と思います。以上の治療はいつからでも行うことが可能です。


 一般的には痛みは続きません(子宮内に血液がたまっているかもしれません。)痛みが変わらなければ受診して下さい。稽留流産だから繰り返すということはありませんが、将来的に流産を繰り返す、習慣流産の可能性はわずかにあります。

 ロラクチンというホルモンが出て乳汁が出ます。次回受診でよいと思いますが、テルロンという薬を処方すると早く止まります。

 流産後少量の出血はよくありますが、本当の生理は1ヶ月ぐらいあとです。習慣流産の定義では、3回以上流産した場合をいいます。

 稽留流産とは胎児が死んだ状態になっても子宮の中に組織が残っている状態をいうので、胎嚢がみえなければすぐ手術する必要はないと思いますが、はやく子宮外妊娠かどうかを見極めたいという事だと思います。子宮内容清掃をしてもHCGが低下しなければ子宮内以外にHCGを出す組織が存在する。すなわち子宮外妊娠という事になります。
 "いきなり"手術という、いきなりとあなたが思ったとしたら医師の説明不足と思います、出血とともに組織が全部出てしまう完全流産は手術を必要としません。組織が残って出血が続く不完全流産や稽留流産は手術が必要です。

 特別な検査という訳ではないですが、一般的に両親の染色体、母親の自己抗体、凝固系、甲状腺機能ぐらいは調べます。
 習慣流産の場合は、早期に流産となる場合が多いと思います。

 妊娠反応が出るということは最近、hCGの注射をうっていなければ妊娠しているということで、本当におりたなら早期の流産です。本当にそうなのかは近くの産婦人科で確認して下さい。
 実は出血のみで胎嚢がまだあって妊娠が継続している場合や子宮外妊娠の場合があります。

 前周期は非常に早期の流産だと思います。妊娠反応をやらなければ、生理が少しおかしいぐらいで気がつかなかったと思います。本人が気づかないような早期の流産は、案外あるのではないかと私は思っています。
 その次の周期は前周期の影響で少し排卵の時期が遅れても異常ではありません。少し様子をみてはどうですか。

 プロラクチンは、はっきり流産の原因とはいえないと思います。妊娠してからは高い方がよいという意見もあります。

 異常があるというよりも妊娠しやすければ、次の妊娠をしているはずです。はやく妊娠したいなら一度治療を行った方が良いです。

  流産を何度も繰り返す人は何%かいます。一度の流産の経験が次の流産の原因になるわけではありません。ほとんどの流産は受精卵が悪いためですが、私は卵巣と子宮の血流を良くすることで受精卵の質が良くなったり、子宮内では栄養補給がしやすくなったりなど何か利点があると思います。
 したがって血流改善できるような運動や半身浴等を勧めています。サンビーマーRも血流改善目的で導入しました。時間があれば利用してみて下さい。

 流産のあとは妊娠しやすいといえます。流産した人は、まったく流産の経験のない人に比べ最終的に妊娠できる確率は2倍位になるというデータがありました。つまり流産というのは受精や着床には大きな問題がなく、受精卵の問題ということですので、いい受精卵の場合は流産しないで済むということです。不妊期間が長く、なかなか妊娠しにくい方は流産率が高いと思います。やはり良い受精卵が少ないためと思います。  流産についての私の考えをまとめた患者様用の説明書です。参考にして下さい。


 妊娠判定前および妊娠初期の出血について
1 出血があるとすぐ「流産」と考えがちですが、出血=流産ではありません。
 妊娠初期にはいろいろな理由で出血がよくあります。これは血流が豊富なひとつの証拠でもあります。流産のはじまりとすぐに考えないで、あわてずに次の日に電話して受診して下さい。正常な経過でも出血はよくあります。


2 治療中、腔坐薬を使うと出血することがよくあります。腔坐薬は必要がある場合にしか処方していませんので、出血があっても必ず投与を続けて下さい(出血が多い場合は肛門坐薬としてお使い下さい。肛門坐薬でも血中濃度は十分得られます)。


3 出血がある時は、低用量アスピリン(バファリン81の服用を中止して下さい。バファリン81は血小板の凝集を抑え、出血が止まりにくくなります。ただし、習慣流産治療のために服用中の方は、そのまま服用を続けて下さい。凝血が流産の原因と考えられています。またこの場合は、止血剤は使わないほうがかえってよいと思われます。


4 流産するかどうかは、本来受精卵の成長の過程で決まっています。最近の報告では、流産のほとんどは受精卵の染色体異常といわれています。したがって、薬を飲んだり、過度に安静にすることで流産を防ぐことはできません。念のために止血剤を投与したり、安静を指示することはありますが、受精卵の染色体レベルの異常を修正することはできません。
 患者さんの努力で外からの力により結果を変える事はできません。逆に順調な妊娠を激しい運動により流産させることもできません。一般的に、流産は先に胎児の発育が止まってから、時間を経過し、胎嚢を出そうとして出血がおきます。出血は最後の症状です。したがって流産がすでに始まってしまった出血は止められません。
 当院では、体外受精後は毎週、妊娠経過を観察していますので、出血前に胎児の発育をチェックし、流産を診断しています。多くの出血は、流産と関係のない妊娠中のいろいろな反応の結果生じたものです。経験的にいえば、出血があっても胎児が正常であれば、ほとんど問題はなく、やがて止血して正常に発育します。あわてないで経過を見守って下さい。


 流産は自然淘汰であり、防ぐ必要はないはありません。
人の場合、異常な子ができないように育つのでなく、異常な子は流産で淘汰される仕組みになっています。
流産の最大の原因は染色体異常、その最大の原因は卵の加齢となっています。

流産の原因のほとんどは卵にあります。体外受精で採卵した場合、受精したとしても妊娠できる卵はせいぜい1~2割といわれています。
 妊娠しても、うまく発育できなくて流産します。一般的に10~15%といわれますが、体外受精のように早期に妊娠反応を調べると妊娠反応が陽性になっても20~30%は流産します。流産の原因はお母さんが動いたとか、ムリなことをしたとかではありません。
 精神的ストレスもひとつの原因にはなりますが、一般的に下痢で避妊や中絶をしようと思ってもできません。子宮は良好な受精胚の培養のための器官です。少量出血があっても安静にしていなくても、元気な受精胚は十分育ちます。育たない場合は、ほとんど胎児が奇型で自然淘汰される場合です。ですから胎児が大丈夫なら育つし、胎児が途中でだめになったら流産します。



               
               
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