簡易体外受精のメリット、デメリットは?

 私も簡易体外受精は行っています。年間、約300~400採卵ぐらい施行しています。しかし、当クリニックではその2倍、通常の体外受精を施行しています。私は患者様一人ひとり、何か合うかわからないという発想で、何でもできる体制にしています。その中から、一番良いと思うものを選択しています。ドクターそれぞれ考え方が違います。治療法も違います。  私は結果にこだわっています。すなわち、高い確率で早い妊娠を目指しています。しかし、ステップアップは無視していません。患者様一人ひとり、みんな反応が違うことを前提としています。  通常の体外受精は、毎周期やらなくても2周期で6割以上の方が妊娠しています。ドクターもいろいろです。いろいろ経験して下さい。


 以下は当院での説明書です

◆クロミッド(クロミフェン)採卵について

①方法と適応
 通常の体外受精卵巣刺激法(ロング法、ショート法、アンタゴニスト法、ER〔エストロゲンーリバウンド〕ショート法)以外で、クロミフェン(クロミッドーセロフェン) やレトロソール (レトロッツ)の内服薬に、HMG注射を少し加えた刺激で採卵する場合を、当クリニックではクロミッド採卵と呼んでいます。簡易体外受精とも呼ばれています。
 何も薬剤を使用しないで採卵する場合を、自然周期採卵と呼んでいます。自然周期採卵は、一時英国では妊娠率が低く患者様のメリットが少ないということで禁止されたことがありました(1周期あたりの妊娠率は、はるかに通常の体外受精の方が高いので、まず通常の体外受精を優先に治療を考えます)。
 そもそも当クリニックでのクロミッド採卵は、通常の体外受精でうまく卵が採れない人を対象にはじめました。卵がうまく採れないというのは、卵巣の機能が低下(年齢的に低下〔更年期に近い〕、卵巣の手術による機能低下、子宮内膜症による機能低下、体質〔遺伝子の異常等〕や病気による機能低下、早発閉経〔早発卵巣機能不全〕)等により、注射を多く打っても卵が育たない場合です。

 現在では、少し対象範囲を広げて次のような方をクロミッド採卵の対象としています。

◇卵巣機能が低下し、通常の体外受精卵巣刺激ができない方(注射で卵胞の発育がみられない)
◇通常の体外受精卵巣刺激はできても、成熟卵が2~3個しか採れない方(注射を多量に打ってもそれだけの効果がなく、注射の費用がかかり、患者さまへの経済負担がかかると考えられる場合)
◇通常の体外受精を数回繰り返しても妊娠できなかった方(刺激を変えることにより卵が質的に変化してほしい、という願いから刺激法を変えてみる)
◇PCO(多嚢胞性卵巣症候群)で卵ができ過ぎていつも全凍結になり、しかもその凍結受精卵融解胚移植で、数回の移植にも関わらず妊娠できなかった方


②クロミッド採卵のデメリット
 クロミッド採卵は、しばらく続けることになります。卵は通常80~85日、約3ヶ月かけて成熟します。卵巣機能が低下している場合、毎月刺激していないと卵の育ちが悪くなります(普通の卵巣機能の方はいつでも卵が発育しているので、いつでも採卵を開始できますが、逆に採卵で多数の卵を採るので、そのあとは刺激を休まなければいけません)。
 通常の採卵(ロング法、ショート法、ERショート法)では、排卵しないようにQRHアゴニスト(イトレリンーブセレキュア等の点鼻薬)を使用します。クロミッド採卵では、通常排卵前にHCGを打ち、約36時間後に採卵しますが、排卵の内因性反応(LHサージ)を抑えていないので勝手に排卵の反応が起こることがあり、場合によっては採卵前に排卵が起きていることがあります。直前にaRHアンタゴニスト(セトロタイド)を使用し、排卵を抑えることもできますが、間に合わない場合もあります。卵胞が大きくて12~24時
間後に採卵をしたこともありますが、結果はよくありません。
 採卵できそうな卵胞があっても、100%確実に卵が採れるわけではありません。卵巣機能が低下している場合、卵が採れてもすでに使用できない変性卵の場合もあります。
 以上のような理由により、クロミッド採卵では約20~30例にI例くらい排卵のために採卵できません。また、採卵できても受精卵が得られない場合もあります。

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