私は、ステロイドは悪いと思っていません。ステロイドは大量に使う場合と少量の場合で大きな違いがあります。また、男性ホルモンも女性ホルモンもステロイドホルモンです。「ステロイドを使うと不妊になる」というのは、あまりにも大雑把でいい加減な表現と思います。
 私は、体外受精の時に着床が少しでも良くなればと思い、プレドニソロンというステロイドを服用してもらっています。

 この質問にはいろいろ答えなければいけないことがあります。いろいろな問題が含まれているので箇条書きにします。

1 何か異常が起こることがわかっている薬は、基本的にわかった時点で発売中止です。女性であればいつ妊娠するかわからないのが普通ですので、薬を飲んで妊娠してはいけない薬を普通は処方しません。そういう意味で通常量を普通に服用しているなら大丈夫です。


2 妊娠すれば普通2~8%位、いろいろな奇形があると言われています(アザなどをどのくらい含めるか?外表奇形だけでなく、詳しく調べ内臓の奇形も加えるかなどでパーセンテージは変わってきます)。日本では過去にサリドマイドの事件があり、薬で子どもに奇形が発生するという固定観念が強すぎる国になってしまいました。したがって、他科のドクターは無用に恨まれたくないために「妊娠している」「妊娠する予定」の患者さんに薬を処方しないようにしています。私も2年間内科医をしていましたので、そういう発想で「責任が持てないから処方できない」という立場をとっていました。どのくらい影響があるか勉強しようという内科医や外科医、歯科医もほとんどいないと思います。
 何も薬を飲んでいなくても、何も悪いことをしていなくても奇形は発生します。何か原因かと悩むわけですが、実は偶然に近いことが多いと思います。防ぎたいという気持ちはわかりますが、我々の体はいろいろ偶然(ラッキーの連続)で成り立っているように思います何か不具合があり、奇形が生ずれば、ほとんどが流産になっているはずです。一部の命にかかわりのなかった小さな奇形のみが生まれてしまいます。また、奇形も個性も同じものを表と裏で見ているように思います。


3 いずれにしても「子どもが欲しいなら花粉症ぐらい我慢しなさい」というドクターは、私には許せません。顔はニッコリ笑って、だまって帰ってきたほうがよいと思いました。妊娠してもよい治療もまじめに考えるべきです。


4 ダナソールは免疫を抑制する作用がありますので、服用している間アレルギーは少しはよくなるはずです。


5 現在日本では、一番安全とされる薬には「薬の有益性が危険性を上回るときのみ投与して下さい」と書いてあります。有益性、危険性はどこで何を基準に計るのか、ドクターの私にも全くわかりません。つまり「何かが起こったときにはドクターの責任ですよ」「製薬会社は何ひとつ安全と言っていませんよ」というスタンスで、すべて貫かれています。したがって必要な薬(薬を飲んでいないと奇形が増えることがわかっている薬も飲まれないため)をちゃんと飲むように、妊娠中に飲んでもよい薬のリストを厚生労働省は作成中です。


6 過去には「風邪薬を飲んでいるので中絶したい」という患者様もいましたが、「風邪薬を中絶の理由にするな」と私は言いたいと思っていた時期がありました。


7 内科医から「責任がもてないから人工中絶したほうがよい」と言われた人もいました。"もってのほか"です。

 だんだん過激になって、怒りが込み上げてきそうなのでやめます。




               
               
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