メルビンの作用は?

 メルビン・メトホルミンは、昔から血糖改善の薬ということになっています。20年以上前から重症の糖尿病の人は多嚢胞性卵巣(PCO)で排卵障害があることがわかっていました。糖尿病の何らかの影響で、排卵障害となっているものと思われます。その病態とPCOの病態に共通点があり、メトホルミンを使用することにより排卵障害が改善されることがわかってきました。
 私は、もう6年位前からメトホルミンを使用しています。ここ3~4年の間に、メトホルミンとPCOに関しておそらく何百という論文が出されたと思います。以前はPCOの排卵誘発に苦労していました デキサメサソンや勢薬甘草湯、柴令湯などを使用していましたが、ほとんど効きませんでした。数年前にメルビン(メトホルミン)を試したとき、これはPCOのファーストチョイスになると思い、それ以来ずっと使用しています。もちろん血糖降下剤となっていますので、糖尿病の専門家に相談し使用しはじめました。実際、血糖は健康な人は下がりません。インスリンの末梢での感受性がよくなります。排卵のみでなく、現在では流産の予防にもよいというエビデンスも出されています。
 一番の欠点は、正式に排卵誘発の適応が日本では通っていないので、「適応外の使用」すなわち保険がきかない自費になるということです。これほどはっきりしたエビデンスがあるにもかかわらず、製薬会社は昔の薬ですでに薬価が安いため、排卵誘発の適応をとるための治験を何億もかけて行なう気がありません。困ったことですが、何十年も前のままの説明書が「妊娠している方」「妊娠する可能性のある方」に対して禁忌となったままです。
 不妊症の世界は、大きく変わりました。1978年より体外受精、1992年より顕微授精がは じまっています。体外受精がはじまる前に書かれた薬の説明書を信用し、せっかくの良い薬を使用する機会を潰さないようにお願いします。

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