卵子の質については一言で言えない、いろいろな内容が含まれます。
 卵子は原始卵胞から約3ヶ月かかって成熟、受精可能になります。したがって、妊娠しにくい方が成熟卵子を得るには、正しい排卵誘発が非常に重要になります。
 卵子は卵巣で作られておらず、また生理が始まってから育つわけでもありません。1ヶ月に約1000個の卵子が継続して消滅しています。
 年齢とともに卵子は古くなっていくので、卵子を若返らせる、卵子を良くすることはできません。眠っている卵子を覚まさせて、よりよい卵子に巡り合うことには改善の余地があります。
 また、受精卵は染色体の組み換えがおきて一つ一つ個性、多様性を持ちます。いずれにしても、年齢の影響を超える卵子の質を良くする方法はありません。
 早く妊娠、出産することが、医学的に推奨されます。

 変性卵はすでに卵が死んでいますが、卵のまわりの細胞は生きている状態、と私は理解しています。
 良い卵が少なくなってきていると思います。

 超音波でみるのが一番よいのですが、自分でみるなら尿中LHホルモンのチェックがよいでしょう。

 不妊症は治療しながら、検査も進めていきます。妊娠すれば1ヶ月でも治療は終了しますし、妊娠しなければ1年でも2年でも続きます。
 卵が大きくならずに排卵されているんじゃないか、という言葉が気にかかります。卵が大きくならないという事は、うまく排卵していません。基礎体温が一見二相性でも無排卵の事はよくありますし、未破裂の卵胞の事もよくあります。
 とにかく、確実に排卵させる事が治療の第1歩でしょう。たまたまうまく排卵した時にタイミングが合えば自然妊娠も可能でしょうが、うまく排卵していなければ一般的に自然妊娠は無理でしょう。

 良い卵がとれる方法があれば私の方が教えてほしいと思います。ただ健康的な生活、食事に注意し、ストレスのないように、骨盤の血流をよくするようにして下さいとしか言えません。

 逆に「いい方法があったら教えていただきたい」と思います。これこそ不妊専門医の究極の問題です。
 ずっと、いろいろなことを試してきましたが、現在、私なりに効果があると思っているのは2つです。
 一つはダナソール療法で、もう一つはサンビーマーです。
 以下は簡単な説明です。これ以外に採卵の方法を変えることも大切で、いろいろトライしています。サンビーマーについては、卵巣が血流で栄養・酸素・ホルモンの供給を受け、反応していることを考慮するとサンビーマー以外でもとにかく血流をよくすることが非常に良いことと思います(例えば、タバコをやめる、マッサージ、半身浴、運動など)。


○受精卵の質が悪かった場合
 妊娠するかどうかは、受精卵の質・生命力で決まります。子宮は受精卵の培養器に過ぎません。若い女性の卵子をもらえば、60才の高齢女性でもホルモン療法で子宮をよみがえらせ、見かけの妊娠、出産が可能であることは周知の事実です。しかし、卵を若返らせる事はほとんど不可能です。ですから、できる限り良い卵を採るためにいろいろ採卵法を変えています。
 簡単に他人の卵を使えない我が国では、できる限り卵の質を変えることを期待して、いろいろ努力してきました 世界的に認められた確実な方法はありません。しかし、以下の2つの方法を私は経験的に有効と考え、実践しています。これらの方法が有効だったと思われる多くの症例を見てきました。


①ダナソール
 本来は子宮内膜症の治療薬です。排卵をさせず、卵巣を休ませます。
 生理開始から2~3日から約3ヶ月間内服します。
 1ヶ月ごとに血液検査(肝機能検査など)を行います。


②サンビーマー
 遠赤外線治療法です。人体から放出されている波長と同一波長を照射することにより、体を内側から温める効果があります 皮下深部層の温度が上昇し毛細血管まで拡張されます。
 そのため、血行の改善や血液の浄化、リンパ液の改善などにつながり、排卵の誘発や卵胞の発育を促す、ホルモンのバランスを整える、といった働きが期待できます。
 1回の治療時間は20分、3周期を目安に毎日継続することをお勧めします。

 そういうことはありません。卵がパチンコ玉みたいな変化しないもので、それがひとつずつ出てくると思っているのが間違いです。卵はなにもしなくても、どんどん減っていきます。不妊症は卵巣機能が悪い、更年期が早く来る人を対象としています。
 私か、不妊治療で一番大きなポイントだと思うことは、皆さんに、お腹の中の卵について正確な知識を持ってもらうこと。そして卵の重要性をよく認識してもらうことです。
 卵子と精子が受精して受精卵ができるところからすべてが始まる。これはだれでも知っています。でもその卵についてはかなり錯覚があります。まず、卵の大もと。原始卵胞'といわれるものは、女性がまだ胎児のうちにすでにできています。つまり皆さんが胎児としてお母さんのお腹の中にいるときから、皆さんのお腹の中の卵はすでにちゃんとできています。そして、いったんできたら、それ以降は細胞分裂して数が増えることができないという、非常に特殊な細胞です。ですから単細胞のまま、一度できたあとは数が減るだけです。
 原始卵胞は、妊娠5ヶ月から6ヶ月の胎児のころが一番多く、500万個とか700万個あるといわれています。ところが、「おぎゃあ」と生まれるときにはすでに200万個くらいに減って、思春期、つまり生殖年齢に入ったころは10万個から30万個~40万個くらいになっています。思春期以降は、Iヶ月に1000個くらい減るといわれています。つまり、毎日何十個も減っていくのです。
 一定年齢に達して生殖のためのプログラムが起動し始めると、この卵胞を刺激するホルモンが出はじめ、ホルモンの刺激を受けて、卵胞はだんだん成長・成熟して大きくなります。一番もとの原始卵胞からだんだん成熟して大きくなるのに、だいたい80~85日かかるといわれています。そして、中でも一番成熟した大きな立派な卵胞「主席卵胞」の中の卵子が、卵胞を突き破って卵巣の外に飛び出します。
 これが排卵です。主席卵胞の名の通り、最も優秀という意味です。残りはしぽんでいきます。こうして一生に排卵される卵は月に1個、一人の女性の生涯でせいぜい400~500個といわれます。卵子は、毎月卵巣の中で新しく生まれて成長するものと思っている人、月に1個しか卵を消費しないと思っている人は間違いです。また不妊治療で注射を打つと、副作用で卵が少なくなると心配する人もいますが、何もしなくても卵は毎日何十個も確実に減っているのです。



               
               
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