不妊治療に関するQ&A 不妊治療のQ&A からだ編


「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、1年間性生活を行っているにも関わらず、妊娠の成立をみない場合」を不妊症と定義しています。
 男性では、精巣で精子のもとになる細胞が減数分裂を繰返し成熟し、 精子が作られます。そして、精巣から精巣上体、精管、精嚢を経て、 前立腺で作られた精液と一緒に尿道を経て射精されます。
 女性では、卵巣内の原始卵胞が常に発育し、その中から成長の よいものが卵胞として大きくなり、卵胞が破れて排卵します。 そして、卵子は卵管に取り込まれます。
 脛内に射精され、子宮頚管、子宮体部、卵管へと泳ぎ進んだ精子と 卵子は、卵管内で出会い受精し、着床します。
 この射精・排卵・受精・着床の過程のどこかに問題や疾患があり、 妊娠が妨げられている場合、不妊症となります。



 
 注意すべきものは、排卵誘発の結果起こる、卵巣過剰刺激症候群と静脈血栓です。前者は放っておくと脳梗塞や心筋梗塞を起こす場合もあります。

 専門のドクターのもとで治療をしてください。現在では超音波検査や血液検査で事前に対処することができますし、薬の選択が広がって、排卵誘発できます。

 静脈血栓は妊娠時に非常によくできるもので、薬の副作用では頻度は少ないものです。血栓で怖いのは脳卒中や心筋梗塞などの動脈血栓であって、静脈血栓ではありません。

 その他、排卵誘発すると閉経が早まる、卵巣ガンが多くなるなどの声がありますが、そういう報告や証拠は現在はありません。


 
 それは錯覚です。確かに医学が進み、平均寿命も延び、出産の危険も小さくなっていますが、人の生殖年齢は江戸時代と変わっていません。

 赤ちゃんのおおもとの女性の卵子は、35歳から45歳くらいの間に健全な卵としての寿命がきます。受精しにくかったり、受精しても妊娠までいかなかったり、それでみすみす妊娠のチャンスを逃している人が多いのです。

 出産時のトラブルや奇形児のリスクも大きくなります。医学の進歩の勘違いで『高齢出産』『高年出産』は現在死語になりつつあり、産科の世界では大きな問題になっています。


   残念ながら間違いです。生理が上がる約10年前からほとんど妊娠できません。健全な卵子がなくなってからも周囲の細胞が10年ほどホルモンを出し続けるので、その作用で生理が起きるだけです。
 医師の間では、だいたい42、43歳あたりが妊娠の限界と認識されています。

 卵子の質については一言で言えない、いろいろな内容が含まれます。
 卵子は原始卵胞から約3ヶ月かかって成熟、受精可能になります。したがって、妊娠しにくい方が成熟卵子を得るには、正しい排卵誘発が非常に重要になります。
 卵子は卵巣で作られておらず、また生理が始まってから育つわけでもありません。1ヶ月に約1000個の卵子が継続して消滅しています。
 年齢とともに卵子は古くなっていくので、卵子を若返らせる、卵子を良くすることはできません。眠っている卵子を覚まさせて、よりよい卵子に巡り合うことには改善の余地があります。
 また、受精卵は染色体の組み換えがおきて一つ一つ個性、多様性を持ちます。いずれにしても、年齢の影響を超える卵子の質を良くする方法はありません。
 早く妊娠、出産することが、医学的に推奨されます。

 浅田レディースクリニックでは、科学的に証明されている方法はできるだけ治療に取り入れています。
 それ以外で「これ!」という方法はなかなか・・・。ただ血流を良くする・体を温めるといったことは妊娠しやすくなると考えられています。スポーツをして体を動かしたり、冷えないよう服装を気にかけたり、ということは有効でしょう。
 体を温めることで有効と考えられるため、サン・ビーマーや半導体レーザー治療なども取り入れております。

 生理があるうちは妊娠できると思っている人が多いですが、実は生理があがる(閉経する)約10年前から妊娠はほとんどできません。
  現在平均51歳で閉経しますが、42~43歳が一般的な妊娠の限界です。年齢と共に妊娠しにくくなる事はなんとなく分かっている人が多いと思いますが、妊娠の限界、生殖年齢が個人によって大きく違う事はあまり知られていません。卵子を保存している(作っていません)卵巣内の卵子の在庫の目安である卵巣予備能は、年齢よりも個人の差の方がずっと大きく、「私はいくつだからまだ妊娠できる」という事は通用しません。
  最近、卵巣の予備能の指標であるAMH(アンチミューラリアンホルモン)が測れるようになり、自分の卵巣予備能が分かるようになってきました。自分自身の生殖年齢や妊娠適齢期をAMHを測ることにより、あらかじめ設定し、悔いのない幸せな家族形成と女性の人生設計に役立ててほしいと思っています。

 100キロ近くというのはかなりの肥満ですね。肥満になると妊娠しにくいのは事実です。また、妊娠したあとのお産も大変です。高度肥満は難産で苦労しますので産科の先生からは敬遠されがちです。
 肥満になると流産、早産や死産のリスクが高くなるだけでなく、障害児出産のリスクも高くなります。逆に不妊症の原因となる典型的な排卵障害の多嚢胞性卵巣症候群ではインスリン抵抗性のために肥満になりやすく、ダイエットしにくい体質になっていることもあります。
 インスリンの感受性をよくする薬を排卵誘発の補助薬として使うこともあります。こういう方の中には将来、糖尿病やメタボになりやすいとも言われています。
 いずれにしても適正な体重は不妊・妊娠・出産には重要なことであり、医師とも相談し、体質を考慮してダイエットしながら進めていきたいものです。

 妊娠を望んで普通に夫婦生活があって、2年経っても妊娠できなければ、不妊症と定義しています。月経周期が45日以上ということはうまく排卵していません。排卵は視床下部、脳下垂体、卵巣の各々のホルモン分泌でコントロールされ、その結果うまくコントロールされていれば月経も順調になります。
 排卵がうまくいかなければ精子と卵子が卵管内で出会うことができませんので当然妊娠できません。昔のような基礎体温では排卵の本当の確認はできません。
 ストレスでも排卵はおかしくなりますし、視床下部や脳下垂体からのホルモン分泌がうまくいかないか、排卵を妨げるほかのホルモンが出ているかもしれません。卵巣に腫瘍ができているかもしれません。
 30歳ぐらいからは子宮筋腫も目立ってきます。いずれにしても不妊治療希望なら不妊専門医を受診することをおすすめします。

 あなたはもう不妊症です。普通に性生活があって2年経っても妊娠しなければ不妊症です。
 不妊症の原因にはいろいろありますが、結論からいうと、検査では根本的、本質的な原因はわかりません。なぜなら妊娠の現象は卵管内、子宮内のミクロの世界でおきています。
 レントゲンでも超音波検査でもわかりません。見かけの原因には精子、卵巣、卵管、子宮の障害が考えられますが、ミクロの本質的原因はピックアップ障害(卵子がうまく卵管に入れない)、受精障害、卵の問題、着床障害があげられます。男性は睾丸でいつでも新しい精子が作られていますが、女性は、卵巣で卵が作られているわけではなく、出生時にすでにある限られた数の分化した原始卵胞からスタートし、年齢と同じだけ年をとった卵細胞が妊娠の主役になります。
 そのため女性は年齢とともに妊娠率が下がり、流産率が上がります。

 結論から言うと股を触る癖で卵管は詰まりません。全く関係ないと思います。いずれにしても悪いと思って悩むことのほうが精神的に悪いかもしれません。物心がつく前に癖になるのは問題かもしれませんが、大人になってからは正しいオナニー、マスターベーションは必要と言われています。正しいというのは、普通の性交の準備という意味で間違ったマスターベーションは刺激が強すぎて正しく性交できない、性交で快感が得られないということにつながり、夫婦生活に支障が出ます。
 現在、間違ったマスターベーションで多くの男性が腔内射精ができなくなっています。私は触ること自体悪くないと思っています。むしろ、すごく叱られたことがトラウマになっているかもしれません。そんなに悩むことではないと思います。

 骨盤内炎症のために卵管がつまっていたり、卵管の周囲が癒着していたりする可能性がありますので、まず、子宮卵管造影検査をすべきと思います。
 10年前とくらべれば、妊娠のしやすさは2分の1~3分の1ぐらいになったと思います。少しずつ精液検査やその他の検査や治療をすすめていくべきでしょう。

 開口術をしたところが簡単に閉鎖したという事でしょうか?
 卵管水腫の場合は水腫の程度にもよりますが、体外受精でも妊娠率が低くなります。全然妊娠しなくなる訳ではなく、低くなるだけです。水腫の中の炎症性の液が腹腔内へ出ていけず、子宮内へ逆流するので着床の妨げになると言われています。


 卵管が普通で詰まることはまずありません。 腹膜炎とかクラミジア感染や帝王切開等の手術後の癒着以外はほとんど心配ないと思います。

 あまり心配ないと思います。カビがいるからいけないのではなく、カビはいつでもいるのですが、膣には抵抗力があるので、普通カンジダ膣炎にはなりません。
 膣の抵抗力が弱いときに膣炎になります。膣の抵抗力というのは膣の酸性度です。抗生剤を飲んだとき、雑菌がついたときなどに酸性度が落ちます、また糖尿病などがあっても抵抗力は落ちます。気にしすぎて洗いすぎても酸性度が落ちてよくありません。完治を考えない方がよいでしょう

 かゆいのはカンジダ膣炎と思われます。かゆみが続けば受診をおすすめします。
 オシッコがいつもより濃いのは汗をかいて少々脱水ぎみでしょうか?十分水分をとって様子をみて下さい。

 季節的に生理がある時期、来ない人はいますが、あまり気にしない方がよいと思います。クラミジアは感染症ですので、夏は性的な感染が増えるかもしれません。
 いずれにしてもあまり、夏だからという事で心配しなくてもよいと思います。

 多嚢胞性卵巣については、体外受精の時は注射で排卵させるため、卵が多くなりすぎる事はありますが、それほど問題になりません。現在ではメトホルミンやGnRHアンタゴニストを使って採卵することができるようになっています。
 ホルモン療法で本当に体がついていけないなら、妊娠のホルモンの変化には耐えられません。

 私に言わせればかなり認識が間違っています。PCOの治療で、もっと排卵するよう努力すべきと思います。昔はステロイドや勢薬甘草湯がよいとされていました。PCOなら今現在の漢方の選択もよくないと思います。現在はメトホルミンやアロマターゼ阻害剤も使われるようになりました。
 卵が育つには、約80日かかります。完全に排卵しないPCOなら、3ヶ月かけて排卵させる事もありますし、排卵しはじめれば、より排卵しやすくなってきます。現在、来月、再来月の排卵のための卵は育ち始めています。注射やクロミッドに反応する前に、その準備として約2ヶ月の助走が必要と私は思います。
 OHSSの心配が必要なくらいの刺激は、時には必要です 私は15年くらい前に名大で腹腔鏡で卵巣の表面を焼く手術を、PCOの治療として実際やっていました。しかし、今はすすめません。結局卵巣の原始卵胞を少なくし、卵巣の寿命を縮めます。どうしてもダメなら体外受精の方を選択して下さい。
 25才でそんなに焦らずに、まず医者選びをして下さい(病院選びではありません)。本当によく治療の事を知っている専門家に、治療してもらって下さい。

 多嚢胞性卵巣症候群は、たまにしか排卵しません。可能性はありますが、自然では低いと考えて下さい。

 多嚢胞性卵巣症候群で排卵しにくいと思います。自分では排卵しているつもりでも、多くの場合無排卵です。5年も妊娠しないのは異常です。
 普通、卵巣からは左右交互に原則的に毎月1回ずつ排卵されます 排卵しにくい体質ですので、子どもが欲しいなら治療が必要です。主治医と相談し、治療をすすめて下さい。

 原因不明というのは、外からわからない所に原因があるという事です 原因のわかっている人より重症、と私は考えます。ピックアップ障害、受精障害、着床障害等があります。
 次の治療法は、AIHとIVFしか残っていませんので、当院ではAIH5回を限度にIVFへと移行しています。私は、フーナーテストのほうをむしろ信じていませんので、AIHをやってIVFへと移行しています。当院では、フーナーテストのかわりに血中の抗精子抗体(不動化法)を計っています。
 当院で妊娠した人の約7割がIVFで、2割がAIH、残りがAIH以外ですので、思ったより、AIHで妊娠する人は多いと思います。もちろん精子所見、年齢、その他の条件でIVFへすぐ移行する場合もあります。個人の条件によって当然治療は違ってきます。
 その人の年令や今までの経過に見合った適切なステップアップは、最小限の治療で妊娠へつながる一番良い方法です。逆に、半年以上同じ治療をくり返すのは、意味がありません。

 原因は不明でなく、赤ちゃんまで成長できる受精卵ができていないか、子宮に着床しないかです。ほとんどの場合は卵が原因です。妊娠するには、妊娠できる元気な受精卵ができる事がなによりも重要です。卵をみれば、8割ぐらいは妊娠できそうかそうでないかわかるものです。
 子宮は卵を培養する培養器ですので、内膜が薄いなどの悪い条件がなければ大丈夫です。いくら培養条件がよくても、本体の卵が良くなければ妊娠しません。ですから、いかに良い卵をとり、よい条件で受精・培養を行ない、上手に移植するかがすべてです。
 というわけで、いかに良い卵を採取するかがポイントです。そのためには、排卵誘発法や胚移植の日(胚盤胞を含めて)などを検討する必要があります。
 精子の所見は、妊娠率にはほとんど影響ありません。採卵の数が少ないのが気になります。FSHの基礎値が高いのでしょうか?私の昔のデータでは採卵数が少ない場合、妊娠率は低下します。また妊娠率にいちばん大きな影響を与える要因は、女性の年齢です。

 もちろん妊娠は可能と思いますが、帝王切開後に何か炎症でもあったら、卵管のまわりに癒着が生じ妊娠しにくくなっている事は考えられます。
 いずれにしても、2年くらい妊娠できないのは続発性不妊症です。妊娠しやすいとは言えません。専門医にかかって相談して下さい。

 2人目という事で子宮卵管造影は痛いので、たぶん通水で済ませたものと思います。特別に腹膜炎などがなければ卵管は簡単につまるものではありませんので、それほど重要でないと思われます。
 1人目がすぐできて、2人目がなかなかできない続発性不妊症はよくありますが、患者さんもドクターも1人いるからという事で積極的になれない面があります。自分の希望をはっきり伝えて治療してもらって下さい。また、不満はストレスにもなりますので、ドクターを変えてみたらどうでしょう。

 続発性不妊ですので、大きな原因はないと思います。近医で相談し、基本的検査と基本的治療をして半年間で妊娠しないのならデータをもって専門医を訪ねるのかよいかと思います。

 間隔よりも年齢が重要です。妊娠率は、年齢に一番関係しています。

 24時間風呂で不妊症になるという医学的、科学的なデータを私は見たことがありません。現在の方法でどれくらい感染の可能性があるかもよくわかりません。
 申し訳ありませんが、止めた方がよいとも、続けてよいとも根拠がないので言えません。

 1、2、3、とも俗にいわれていますが、医学上はっきりしたエビデンスは現在ないと思います。
 少なくとも私か今読んでいるアメリカ、ヨーロッパの生殖医学に関するジャーナルで、ここ10年ぐらい上記に関する論文はみた事がありません。したがって現在、医学的な治療の対象としてとりあげられていません、データがないので何ともいえません。

 側湾症と不妊についての医学的なデータを私はみたことがありません。

 一般的に少量の腹水は誰でもあります。生理痛と腹水は、あまり関係ないと思います。子宮内膜症と生理痛は関係があります。
 妊娠に関して一番気にかかることは、腹膜炎の既往です。腹腔内に炎症があったとすると、その後癒着している可能性があります。卵管の通過・卵管采周囲の癒着等を子宮卵管造影で調べる必要があると思います。いずれにしても妊娠しやすそうではない気がしますので、不妊症の治療をはじめた方がよいでしょう。不妊症専門の先生なら、卵巣も簡単にとってしまう手術はしないはずです。主治医と良く相談して下さい。

 生理の量は今回は少なくてもよいと思います、卵巣の痛みについては少し様子をみてよいと思います。

 卵巣の内膜症の多くはチョコレート嚢腫という形で血液がたまったシストになります。どんなガンでも目でみてわかるガンは進行ガンです。早期のガンは肉眼で診断できません。
 ガンの診断は、細胞診や組織診で確定診断します、腹腔鏡は外から見るだけですので、超音波より中身は分からず。一層ガンかどうか分かりません。細胞診で診断できますが、妊娠するくらいの年齢の方ではほとんど心配ありません、更年期後のチョコレート嚢腫は要注意です。

 妊娠した場合はその経過を見てどこかの段階で同じように処置します。子宮の発育の妨げになりますし、分娩の邪魔にもなります。腹腔内で破裂すると腹痛の原因にもなります。

 私はチョコレート嚢腫を超音波下で穿刺してつぶし、卵巣の血流をよくしてから体外受精します。そのままだと卵巣の反応が悪い気がします。内膜症の一番よい治療は妊娠です。
 私なら体外受精をやって(患者さんの年齢がわかりませんが...)ダメな場合、次の体外受精の間に治療をはさみます。主治医とよく相談して下さい。

 卵巣のためを思うと開腹して、丁寧に核出し、卵巣組織をできるだけ多く残した方がよいと思います、腹腔鏡下手術は長いハシ、たとえばサイバシの先で何か操作しているようなものですので、手には適いません。
 私も卵巣を残す手術は開腹でやっていました。子宮外妊娠の場合などは卵管をとるだけなので、腹腔鏡でやっていました。

 排卵誘発剤で子宮ガンになるというのはまったくのデマでしょう。子宮ガンの多くをしめる子宮頚ガンは、ウイルスが原因であることがわかってきています。セックスパートナーがウイルスを持っていて感染すると思われます。感染=ガンでなく、それが原因となり、その後発症すると言われています。したがって性交の経験が多く、セックスパートナーの数が多い人にガンが多いことがわかっています。子宮体ガンは糖尿病の人にやや多く、正しいホルモン補充療法で発症軽減することができます。
 排卵誘発剤と卵巣ガンの関係はほとんどないと思いますが、一時卵巣ガンを増やすのではないかと言われた時代もありました。20年以上経って体外受精が普通に行なわれる今日では否定的です。

 子宮頚ガンは遺伝ではなくウイルス感染が主な原因です。

 プロスタグランディンは、もともと精液の中に発見された物質で、痛みの原因や子宮収縮をひきおこすものです。いろいろ種類があるのですが、陣痛促進剤のひとつでもあります。月経時の痛みの原因にもなり、鎮痛剤の多くは、プロスタグランディンをおさえる働きがあります。痛みが気になるようなら、鎮痛剤を途中から服用するのもよいかもしれません。

 お腹の中が腫れているのか、お腹の表面が腫れているのかよくわかりません。まれに皮下気腫で皮フの下に気体がたまる事もあります。また皮下に血液がたまる事もあります。いずれにしても、一度手術した先生に聞くのが一番よいかと思います。

 内膜症を焼いて、内膜症の組織がなくなったら、再発はしないはずです。癒着はあるかもれませんが、生理とは関係ないと思います。
 ホルモン剤は黄体ホルモンの注射をしていると思いますが、主治医に聞いて下さい。筋肉注射では薬は血液に流れ、体全体へまわります。交互に打つのは、油性の注射で腫れるのを防ぐためと思われます。
 プセレリンは使いはじめて最初の月は、きちんと使っていても多くの人は生理になります。2日問で大きな変化はないでしょう。忘れたら気づいた時にすぐ追加する事です。

 腹腔内の癒着とあなたの行動とは、ほとんど関係ありません。腹腔内の癒着は出血、感染、手術術式、剥離操作、癒着防止のシート、薬剤等の影響はうけますが、行動とはほとんど関係ないでしょう。
 手術された主治医の先生とよく話し合って下さい。

 出血は心配ないと思います。たまに腹痛もあると思いますが、だんだんよくなるでしょう。便秘は早めに薬を飲んでいた方がよいと思います。
  術後は少々痛くても早く日常のように動く事が、一番回復が早いと思います。がんばって下さい。お尻の皮についてはよくわかりませんが、電気メスの電極のせいかもしれません。また、寝てばかりいると、お尻の皮の血のめぐりが悪くなるかもしれません。
 いずれにしても手術された主治医の先生によく聞いて下さい。

 掻爬(そうは)とは、中絶とほとんど同じ手術を意味します。内膜は毎月々再生しています。生理ははがれた内膜です。しかし、あまり深く傷がつくと再生する内膜のもとの層が傷つく事もあります。
 しかし、ポリープぐらいではそんなに強く掻爬しているとは思われません。ポリープをとるのは妊娠しやすくするためです。それで妊娠しにくくなれば、やらないほうがよいわけで、心配はいらないと思います。
 子宮内膜のもとになる幹細胞については、まだよくわかっていませんが、幹細胞がなくなれば再生できなくなります。

 内膜症というのは不思議な病気で、初期でも重症でも同じように妊娠率が落ちます。逆に重症になればなるほど妊娠しにくいという単純なものではありません 体外受精でも内膜症があると妊娠率は落ちると言われています。
 また、体外受精後に自然妊娠するケースの多くは内膜症です。というような不思議な病気なので体外受精の絶対的適応ではありません。
 私の意見では、手術をするより先に体外受精をやった方がよいと思います。手術で内膜症の一部として卵巣の一部を切除する事があれば、後の体外受精もやりにくくなり、卵の質も悪く、卵自体が少なくなってしまいます。
 卵巣はできるかぎり傷をつけず、オペしない方がいいと思います。私のところにみえているオペ後の患者さんには非常に苦労しています。まして卵管にも問題があるならなおの事です。
 妊娠できる人の多くは半年以内に妊娠します。1年で8~9割の人が妊娠できるといわれています。卵の質が悪くなれば、体外受精でも妊娠できません。くれぐれも卵巣を傷つけたり一部でも切除する事は避けて下さい。年齢も考え、普通の人よりも早く子どもができなくなると思って、今後の治療方針を検討して下さい。
 子宮内膜症は、妊娠することで非常に良くなります。妊娠が一番の治療です。1人目は体外受精でも、2人目は自然妊娠できるかもしれません。

 お腹が痛いのは、いろいろなケースがあります。私は易者ではありません。主治医とよく相談し診察してもらって下さい。子宮内膜症の正しい診断は簡単ではありません。

 そんなに心配しなくてもよいと思います。出血がとまらなくて子宮をとるような事は、可能性はありますが、ほとんどありません。

 子宮筋腫と妊娠との関係は非常に難しく、判断に迷うものです。そもそも、3~4人にひとりは子宮筋腫があると言われています 筋腫だらけでも妊娠する人もいます。これぐらいからは妊娠しにくいという境界線が引けないのが問題です。文献的、現在の専門家の間では常識的な境界線としては、4~5cmぐらいあれば取ったほうがよい。小さくても子宮内膜を少し圧迫しているようであれば、取ったほうがよいと言われています。
 要するにステップアップと同じ考えで、そのまま妊娠できるか、少し治療してから結果がでなければ手術を勧めています。
 当クリニックでの経験では、私が切った方がよいと勧めた方は、術後みなさんよい結果が出ています。ですから、私は最近「積極的推進派」になってきました。筋腫は子宮という畑の中の岩みたいなもので、血流が悪くなるので流産の原因にもなります。手術はどこでもできますが(当クリニックでは入院施設がないのでできません)できれば不妊症に興味のあるドクターの方が、あとのことを考えて、より丁寧な手術をしていただけるかも知れません。
 腹腔鏡という手段もありますが、やはり開腹して丁寧に手で縫合したほうが私はよいかと思います(しかし、最近の腹腔鏡の技術は著しく進歩していますので、遜色ないかもしれません)。
 昔なら「1年あけなさい」と言っていましたが、私は3ヶ月ぐらいおいたら治療を再開してもよいと思います(お産は帝王切開になります)。手術の傷は冷えたりすると、「古キズが痛む」という言葉があるように、痛むことがあるかも知れませんが、筋腫の手術をしてその後妊娠、帝王切開した人から恨まれたことはありません(うまくいかなかった人からは連絡がないからかも知れませんが)。
 妊娠しなくても閉経まで筋腫は大きくなります。最終的に切らざるを得ないなら、妊娠しやすくするためには手術をしたほうがよいと思います。しかし、また筋腫がどんどん出てくる場合もあります。
 また、手術をしても結局妊娠できずに終わってしまう可能性も、もちろんあります(預言者ではないので、未来の保証はできません)。
 じっくり相談して、納得して治療に取り組んで下さい。

 子宮筋腫は女性の3人に1人は持っていると言われるほどよくあるものです。雑誌のとおりで、それ自体は少しも心配していません。
 しかし、将来手術が必要になるかもしれないという事を言ったつもりです。子宮全摘が必要となっても10年以上先のことと思います。ただ赤ちゃんはギリギリのところを回旋して出てくるので、筋腫の大きさと場所によっては難産の可能性もありますが(今よりも何倍も子宮が大きくなった時の話ですから)今はまったくわかりません。
 子宮全摘でも卵巣はとりませんので、基本的に更年期が早くなるわけではありません。

 場所によりますが、筋腫やポリープは着床の妨げになります。病院で手術をすすめられたなら、妨げになる場所にあると推察されます。卵がよくても着床しにくいのでとった方がよいと思います。
 体外受精や顕微授精で受精卵を作るのとは別の話になりますが妊娠の為には非常に重要です。

 一般的にあなたのような症状は、処女膜強靭症と言って性交で簡単に処女膜が破れない例にあたると思います。そういう場合は、麻酔下で処女膜の切開術にて治療します。
 もちろん保険にそういう治療法が正式にあります。入口の部分だけでなく腔全体が狭い場合は奇型を疑います。そうなると診断はもっと複雑になります。

 着床は、受精卵が成長しながら子宮内膜へめり込んでいくことです。着床現象は、大体排卵から1週間後におきます。したがって月経より1週間ぐらい前におきる少量の出血といえます。しかし、あまりその症状を訴える方はいません。むしろ排卵期に少量の出血をおこす人が多いように思います。排卵期出血は、排卵期に比較的大きく色々なホルモンが変動することによりおきます。 
月経の量はいろいろ変化します。しっかり排卵し、内膜がきちんとできていればだんだんわかるようになります。出血量は黄体ホルモン・卵胞ホルモンの量の結果です。

 いわゆる接触出血で、子宮腔部びらんから出血していると思います。びらん自体は若い女性であれば、ある程度びらんがある方が普通ですので心配はいらないでしょう。
 ただ、子宮頚ガンの初期も同様の症状を示すことがありますので、念のため子宮ガン検診(スメア検査)はした方がよいと思います。腔部びらんはいろいろ治療法がありますが、かえって大変な事が多いので、(また年をとると自然に治るので)すぐに治療しようと考えない方がよいと思います。

 黄体ホルモンは15以上ほしいと思っています。

 FSH、LHが非常に低いので、一度LH-RHテストをやって視床下部性障害か下垂体性障害かを見極める事が必要と思います。PCOではないでしょう(超音波的にはPCOにみえますが)。
 基本的に重症の排卵障害ですので、排卵させなければいけません。一般的に卵は約3ヶ月かけて育ち、最後の1ヶ月のみ注射等に反応します。したがって、ちょっと注射をうって排卵しなくても、それはまだ注射に反応しない段階の卵しか育っていないかもしれません。私はもっと確実に排卵をさせなければいけないと思います。結果的にOHSSになっても責任をもって治療するというドクターを探すべきと思います。あまり危険なら途中から卵をとってIVFにする事もいつでも可能でしょう。

 プロラクチンというホルモンが高いと乳汁がでます(高くなくても出る事はあります)。プロラクチンが高いと排卵が起きにくくなりますのでそれが原因かもしれません。

 PRLが体質的に高いのは問題ないと思います。プロラクチンは乳汁分泌のホルモンですので、妊娠中、授乳中には高くなっています。逆に排卵しにくくし、次の妊娠がすぐ起こるのを防いでいると思います。
 したがってプロラクチンが高い場合、それを下げることによって排卵しやすくなり不妊治療となります。20年以上前は非常によく研究され、この分野では誰もがプロラクチンを研究していた時代もありました。
 現在は以前ほど重要視されていません。少々プロラクチン値が高くても月経周期が普通であれば、わざわざ下げる必要がないというのが最近のエビデンスです。不妊治療希望でなければまったく放っておいてよいと思います(乳汁がほんの少しずつ出るかもしれません)。PRLが何百もあり、非常に高い場合は脳下垂体腺腫も疑いますが、20数年、私は経験していません。ドパミンと関係しているので副作用に血圧降下は書いてありますが、私は経験したことはありません。

 FSHは主に卵胞を育てるホルモンです(男性の場合は精子をつくる)。
 LHは主に排卵のきっかけをつくるホルモンですが、FSHと共同して卵胞も育てます。この2つのホルモンは卵巣の機能が低下すると、フィードバック機構で両者とも高値になります(FSHがより鋭敏に反応します)。したがって年齢とともに高くなり、更年期に入ると急上昇します。
 プロラクチンはもともと乳汁分泌のホルモンですので、妊娠中・分娩後・授乳中に高くなります。それ以外にも、もともと体質的に高い人、脳下垂体の微小腺腫でも高くなります。また、精神安定剤の多くはプロラクチンを上げる作用があります。プロラクチンは年齢に関係ありません。

 変性卵はすでに卵が死んでいますが、卵のまわりの細胞は生きている状態、と私は理解しています。
 良い卵が少なくなってきていると思います。

 超音波でみるのが一番よいのですが、自分でみるなら尿中LHホルモンのチェックがよいでしょう。

 不妊症は治療しながら、検査も進めていきます。妊娠すれば1ヶ月でも治療は終了しますし、妊娠しなければ1年でも2年でも続きます。
 卵が大きくならずに排卵されているんじゃないか、という言葉が気にかかります。卵が大きくならないという事は、うまく排卵していません。基礎体温が一見二相性でも無排卵の事はよくありますし、未破裂の卵胞の事もよくあります。
 とにかく、確実に排卵させる事が治療の第1歩でしょう。たまたまうまく排卵した時にタイミングが合えば自然妊娠も可能でしょうが、うまく排卵していなければ一般的に自然妊娠は無理でしょう。

 良い卵がとれる方法があれば私の方が教えてほしいと思います。ただ健康的な生活、食事に注意し、ストレスのないように、骨盤の血流をよくするようにして下さいとしか言えません。

 逆に「いい方法があったら教えていただきたい」と思います。これこそ不妊専門医の究極の問題です。
 ずっと、いろいろなことを試してきましたが、現在、私なりに効果があると思っているのは2つです。
 一つはダナソール療法で、もう一つはサンビーマーです。
 以下は簡単な説明です。これ以外に採卵の方法を変えることも大切で、いろいろトライしています。サンビーマーについては、卵巣が血流で栄養・酸素・ホルモンの供給を受け、反応していることを考慮するとサンビーマー以外でもとにかく血流をよくすることが非常に良いことと思います(例えば、タバコをやめる、マッサージ、半身浴、運動など)。


○受精卵の質が悪かった場合
 妊娠するかどうかは、受精卵の質・生命力で決まります。子宮は受精卵の培養器に過ぎません。若い女性の卵子をもらえば、60才の高齢女性でもホルモン療法で子宮をよみがえらせ、見かけの妊娠、出産が可能であることは周知の事実です。しかし、卵を若返らせる事はほとんど不可能です。ですから、できる限り良い卵を採るためにいろいろ採卵法を変えています。
 簡単に他人の卵を使えない我が国では、できる限り卵の質を変えることを期待して、いろいろ努力してきました 世界的に認められた確実な方法はありません。しかし、以下の2つの方法を私は経験的に有効と考え、実践しています。これらの方法が有効だったと思われる多くの症例を見てきました。


①ダナソール
 本来は子宮内膜症の治療薬です。排卵をさせず、卵巣を休ませます。
 生理開始から2~3日から約3ヶ月間内服します。
 1ヶ月ごとに血液検査(肝機能検査など)を行います。


②サンビーマー
 遠赤外線治療法です。人体から放出されている波長と同一波長を照射することにより、体を内側から温める効果があります 皮下深部層の温度が上昇し毛細血管まで拡張されます。
 そのため、血行の改善や血液の浄化、リンパ液の改善などにつながり、排卵の誘発や卵胞の発育を促す、ホルモンのバランスを整える、といった働きが期待できます。
 1回の治療時間は20分、3周期を目安に毎日継続することをお勧めします。

 そういうことはありません。卵がパチンコ玉みたいな変化しないもので、それがひとつずつ出てくると思っているのが間違いです。卵はなにもしなくても、どんどん減っていきます。不妊症は卵巣機能が悪い、更年期が早く来る人を対象としています。
 私か、不妊治療で一番大きなポイントだと思うことは、皆さんに、お腹の中の卵について正確な知識を持ってもらうこと。そして卵の重要性をよく認識してもらうことです。
 卵子と精子が受精して受精卵ができるところからすべてが始まる。これはだれでも知っています。でもその卵についてはかなり錯覚があります。まず、卵の大もと。原始卵胞'といわれるものは、女性がまだ胎児のうちにすでにできています。つまり皆さんが胎児としてお母さんのお腹の中にいるときから、皆さんのお腹の中の卵はすでにちゃんとできています。そして、いったんできたら、それ以降は細胞分裂して数が増えることができないという、非常に特殊な細胞です。ですから単細胞のまま、一度できたあとは数が減るだけです。
 原始卵胞は、妊娠5ヶ月から6ヶ月の胎児のころが一番多く、500万個とか700万個あるといわれています。ところが、「おぎゃあ」と生まれるときにはすでに200万個くらいに減って、思春期、つまり生殖年齢に入ったころは10万個から30万個~40万個くらいになっています。思春期以降は、Iヶ月に1000個くらい減るといわれています。つまり、毎日何十個も減っていくのです。
 一定年齢に達して生殖のためのプログラムが起動し始めると、この卵胞を刺激するホルモンが出はじめ、ホルモンの刺激を受けて、卵胞はだんだん成長・成熟して大きくなります。一番もとの原始卵胞からだんだん成熟して大きくなるのに、だいたい80~85日かかるといわれています。そして、中でも一番成熟した大きな立派な卵胞「主席卵胞」の中の卵子が、卵胞を突き破って卵巣の外に飛び出します。
 これが排卵です。主席卵胞の名の通り、最も優秀という意味です。残りはしぽんでいきます。こうして一生に排卵される卵は月に1個、一人の女性の生涯でせいぜい400~500個といわれます。卵子は、毎月卵巣の中で新しく生まれて成長するものと思っている人、月に1個しか卵を消費しないと思っている人は間違いです。また不妊治療で注射を打つと、副作用で卵が少なくなると心配する人もいますが、何もしなくても卵は毎日何十個も確実に減っているのです。

 私の考えを書きます 子どもをつくるためにいろいろな事をがまんする。ストイックになるのは、間違っています。多くの人は、いつのまにか子どもができるものです。誰も何かをがまんしたからできたのではありません。通常のレントゲン検査や薬の治療や運動で子どもができにくくなったり、変な子が生まれる事はありません。普通は、自然に子どもができるのです。しかし、子どもができにくい人たちがいるので、私たち不妊症の専門家がいるのです。
 体の中で受精卵ができ、それが着床する事は、ほとんど母親の行動とは関係ありません。元気な卵、受精卵ができた時に妊娠するのです 卵は元気ならば子宮内膜以外でも育つ可能性があります(子宮外妊娠)。
 逆に体外受精で元気のない卵を子宮にもどして、いくら安静にしていても妊娠は成立しません。妊娠するには確実に排卵し、受精し、着床する事が必要です。あなたのがまんしている事は、ほとんどこの目的では効果なく、ストレスがこうして逆に排卵しにくくなるでしょう。
 基礎体温が高温になっても、排卵していない事はよくあります。妊娠という現象を、科学的にとらえていただきたいと思います。願をかけたら子どもができた お寺をおまいりしたら妊娠した。何かを食べたら妊娠したというような昔話にとらわれないで、専門家について治療をすすめる事をアドバイスします。

 デュフアストンは黄体ホルモンですが、体温を上げない黄体ホルモンです。もちろん黄体ホルモンの働きはあります。内因性(自分の体から出ている)のホルモンを補っていますので、黄体補充は十分と思います。
 自分が出す内因性のホルモン(黄体が作る黄体ホルモン)が少なければ体温の上がりは悪いかもしれませんが、基礎体温は主役ではなく、脇役ですので過剰に意識しないほうがよいと思います。心配なら血中ホルモンを測ってみましょう。薬を飲んでいれば問題ありません。20年前なら真剣に「基礎体温が...」と言っていました。基礎体温はほとんど20年前に終わっていると考えていただいたほうがよいと思います。
 基礎体温は、今の不妊症治療ではほとんど登場しません。基礎体温表はあくまで参考で、健康手帳くらいの価値と思って下さい。

 平均の基礎体温は36.7度±0.4度。すなわち36.3度から37.1度と言われていますが、人により違います。私の印象では、もっと低い人が多いと思います。不妊症の方の多くは冷え性で低い方が多いのではないかと思っています。妊娠初期から妊娠中期にかけて、だんだん基礎体温は下がってきます。
 医学において「必ず」ということはありません。20年前なら基礎体温しか目安がなかったので、基礎体温をつけなさいと言って厳しく指導していた時代もありました。その後、体外受精も経腔超音波もでき顕微授精もできるようになり、ホルモン検査もすぐに測れるようになりました。ここ10年以上専門誌で基礎体温の論文を見たことがありません、不妊症はめまぐるしく進歩し、産婦人科の中で、もっとも急激に変化してきました。
 産婦人科の先生でも、10年20年まったく不妊治療を変えていない先生もみえますので、基礎体温にこだわる先生はいると思います。もともと基礎体温は机上の空論のようなものです。

 基礎体温表は不妊治療の基本でした。20年位前は不妊治療はまず基礎体温のつけ方から始まりました。しかし、不妊治療は大きく変わり、治療法も全く変わりました。
 1978年にIVF(体外受精)が始まり、1992年にICSI(顕微授精)が始まりました。
それまで妊娠できないと言われてきた人々が妊娠可能になりました。それに伴い直接、卵胞・卵子・受精卵を見ることができるようになり、不妊症治療の考え方が大きく変わってきました。私に言わせれば、基礎体温表を見ながら「排卵していますね」「ここで排卵です」と言っているのは古典的不妊症学だと思います。
 基礎体温というのは、黄体ホルモンの違いで微妙に変化する体温を捉える、いわば机上の理論体温です。皆様が口の中で測っているのは、安静時口腔内体温です。これは夜中の行動(眠りの深さ・トイレ・布団をかぶっていた・□をあいていた・鼻がつまっていた等々)で当然変化します。部屋の冷暖房でも、もちろん変化します、したがって、そんな曖昧なものに全力を注いでもしょうがない、と私は考えています。ましてや体温は毎日上がったり下がったりします。下がるたびに排卵かと思わなければなりません。そのため、多く の人にとっては排卵の予知には利用できません。後で見てこの辺だったという事が言えるだけです。経腔超音波がでてきたのが15~20年位前ですが、"実際の排卵と体温上昇は、3日位ずれがある事もよくあることだ"という学会発表も当時はされていました。排卵がうまくいかない(LUF:黄体化非破裂卵胞)ことはよくありますが、体温はちゃんと二相性になります。
 要は赤ちゃんまでいける元気な受精卵ができた時に妊娠できるわけです。普通に夫婦生活があり、排卵期1週間に2~3回性交があれば卵管内にはいつも生きた精子がいるはずで、大きくタイミングをはずしている人は少ないと思います。2年以上避妊なしで妊娠していなければ、タイミングがあっていないのではなく、それ以外の何かがうまくいっていないから、それが原因で妊娠しないと考えた方がよいと思います。
 LUF、ピックアップ障害(卵管へうまく卵が行けない)、受精障害(精子と卵子が出会っても受精できない)、受精卵自体が悪い場合、着床障害(うまく子宮に着床できない)など、いろいろ原因が考えられますが、その多くは体外からはわかりません(一部は体外受精で確かめられます)、ですから、治療法を変えていって、その結果で判断するステップアップ治療が、不妊症の治療の基本になります。したがって妊娠しにくい方は、タイミングでゆっくり時間をつぶしていてはいけません。タイミングでは妊娠できない、あるいは非常に確率が低いと認識した方がいいと思います。
 古典的な基礎体温に縛られるのはいいですが、ふた昔前の医学でストレスにならないように注意して下さい、不妊治療は、ここ20年最も進歩した医学だと私は思います。今でもすごい勢いで進歩を続けています。何が重要か、何か大切でないかを見極めることも大切だと思います。 

 FSHが、本当にすぐ20とか30まで上がってしまうようなら早発閉経です。非常に妊娠する事はむずかしくなります。カウフマン療法で完全にFSHを下げてから治療した方がよいと思います。
 いずれにしてもFSHが上昇しているのなら、今のうちにうまく排卵させて妊娠しなければチャンスはあとからはありません。

 体温は正しく計っても、そんなに正確ではありません。あくまで参考データです。
 排卵しなくても、生理にはたいていなります。無排卵性の月経でうまく排卵しなかったために黄体ホルモンが少なく、黄体機能不全のため高温がはっきりせず、黄体期(高温相)が短くなったと思われます。特に心配はいりません。

 生理前の症状は、主に黄体ホルモンによるもので病気ではありません。生理の量や出血持続は子宮内膜の量によります。子宮内膜はホルモンに反応して増殖しますので、ホルモンが十分でないと生理の量は少なくなります。生理が不順になるというのは、排卵がうまくいっていないということを意味します。

 セロフェンでは内膜が薄くなる傾向がありますので、生理の量が少なくなります。黄体ホルモンが十分でないと生理の量は少なくなり、始まりもはっきりせず、長く少量でいつまでも続きます。
 生理の色は、はがれる内膜組織と新鮮血の量の割合で決まってくるので、HMGや内服できちんと排卵していれば問題ないと思います。

 生理は子宮内膜がはがれて出てきたものです。生理の量が少ないということは、子宮内膜の量が少ない場合と子宮内膜が十分はがれない場合とがあります。ほとんどは子宮内膜が少ない場合です。
 子宮内膜は、主に卵胞ホルモン(エストロゲン)に反応して厚くなります(増殖期)。その後黄体ホルモン(プロゲステロン)に反応して着床のために変化します(分泌期)。十分なエストロゲンとプロゲステロンがあれば、通常は子宮内膜の量も多く、普通に生理があるはずです。
 卵胞の発育が不十分とか、あるいはうまく排卵していない場合やLUF(黄体化非破裂卵胞)の場合などは、その結果として生理の量が少なくなります。排卵がうまくいかなければ不妊の原因となります。そういう意味で不妊と関係があるといえるでしょう。

 生理周期35~40日となると無排卵性月経になっている可能性があります。一般的には生理12日目ぐらいから診ますが、あなたの周期が遅ければ、14日目ぐらいから超音波で診た方がよいでしょう。
 続発性不妊で排卵だけみるのなら、どこの産婦人科でもよいと思います。半年ぐらい治療してもダメなら当院へ来て下さい。来院前日の性交は必要ありません。私は超音波検査で排卵日を決定していますので、その時の性交でよいと思います。

 34才で生理がくるってくる場合は、無排卵になりつつあるという事です。積極的に治療しないと妊娠できずに終わってしまいます。厳しいようですが、すでに7年不妊ですので、ここ1~2年で治療して妊娠できなければ望みは薄いと思って下さい。

 テルロンで生理が順調なら問題ありません。 それでも生理が不順ならカウフマン療法(ホルモン療法)をすることになります。

 周期が5ヶ月のまま放っておいては、よくないと思います。もちろん無排卵ですので不妊はあたりまえでしょう。

 寒い所で、体とくに骨盤が冷えると子宮や卵巣の血行・血流が悪くなると思います。妊娠しにくい方は卵巣・子宮が小さく、血流が悪い印象があります。血流が悪いと卵胞の育ちが悪く、また流産になりやすい印象があります。
 体とくに骨盤を温かくして、血流を良くするよう努力して下さい。

 夫のRhマイナスは問題ありません。血液型と不妊はほどんど関係ないと思って下さい。

 AB型、O型だけで子供ができにくいというエビデンスは聞いたことがありません。RH不適合があり、処置されなければ2人目が育たないということは有名で、ABO型ではなくRH型を調べることを目的としています。

 私も若いときから腰痛もちでいろいろなところへ行きました。マッサージ、カイロプラクテイクス、整体etc...どこへ行ってもいつも「胃が悪くないですか?」「肝臓悪くないですか?」等々とにかく「どうしてわかるの?」と言わせたいためにいろいろな事を言われました。医者でないので好き勝手なことを言っても批判されるわけではないため、本当に勝手な事を言います。黙っていると重病人にされてしまいます。「私か医者だ」と言うと何も言いません。そういうものだと思っていた方がよいと思います。
 これは健康食品が医薬品と違い規制がないため、好き勝手に「あれに効く」「これに効く」と宣伝されているのと同じと思って下さい。不妊症が整体でわかる、整体で治るのなら、みなさん浅田レディースクリニックへ来る前にまず整体へ行くでしょう。
 漢方で不妊症が簡単に治るなら、我々は中国へどんどん留学し、漢方をもっと学ばなければいけません。
 何もわかっていないのに人に向かって「子供ができない」というのは失礼だと思います。もし、私か同じことを患者様に言ったら、ドクターハラスメントだということで訴えられてしまいます。
 いろいろな健康法・健康食品とは上手につきあって下さい。お金を払っただけのご利益はまずありません。大切なのは子宮や卵巣の血流です。安上がりの血流改善法を考えて下さい。

 不妊治療はできますが、お産はその何十倍も危険です。
 私は、過去に何度も「こんな肥満の人を妊娠させて」と非難されました。しかし、実際に100㎏前後の人は数人治療しています。
 肥満があると妊娠したあと、妊娠中毒症、妊娠糖尿、妊娠高血圧など、いろいろな障害が非常にでやすく、骨盤内の脂肪で難産になり、帝王切開の確率が高くなります。手術後のキズの治りが悪く、血栓症になりやすくなります。
 たまたま上手くいった、無事だったというのは医学ではありません。危険が予知できればその前に対策をたて少しでも危険を少なくしておいてチャレンジするのがよいと思います。

 私は名大病院に10年いましたが、肥満の人を妊娠させるたびに、内科や産科(周産期)の先生に怒られました。妊娠、出産が不妊治療の何十倍も危険だからです、できれば90~100㎏まで体重を落としておいた方がよいでしょう。
 なかなか排卵はしていないと思います。最近は、インスリン抵抗性も重要と思われるようになりました。インスリン・血糖なども検査してみて下さい。



  糖尿があっても普通に性交、射精できれば問題ありません。間接的な精液検査として、性交後に頚管粘液中の精子を調べるヒューナーテストがあります。


 極端に太っていると、いろいろな理由で妊娠しにくくなります。しかし、少しふっくらしている女性のほうが妊娠しやすいと思います。
 卵胞ホルモン(エストロゲン)は脂肪組織に蓄えられます。したがって少しふっくらしている方が女性ホルモンレベルもやや高く、内分泌的には状態がよいと言えるでしょう。
 極端な肥満、極端なやせ、極端なダイエット等は禁物ですが、普通の体型なら気にしなくていいと思います。

 治療に年齢制限はありません。

 問題は、本当の年齢よりも卵巣の年齢、すなわち卵巣の老化の程度です。卵が残っており、十分育てば治療可能です。ホルモン検査(採血)は必要ですが、卵管造影、内膜組織診は必要ありません。


 結論からいうと常識的には妊娠できません(他人の卵をもらえば妊娠できます)。
 生理があれば妊娠可能と思っている人もいますが、女性は閉経の10年ぐらい前より妊娠できなくなります。閉経平均は51才ぐらいですので、41~42才ぐらいが自分の卵で妊娠できる限界と思われます。しかし中には、55才ぐらいで閉経になる人もいますので、45才ぐらいでも妊娠できる人はいます。ただし、あくまでも"卵巣に妊娠できる元気な卵が残っている"事が条件です。  女性の卵は生まれる前から原子卵胞が存在し、年齢と同じだけ年を重ね、自分の出番を待っています。男性の精子はバクテリアのように分裂増殖を繰り返していますので、年齢はほとんど関係なく常に新しくなります。女性には妊娠の適齢期がやはりあります。
 男女平等ではありません。アメリカではキャリアウーマンは、若いうちに自分の卵を冷凍保存することもあります

 体温が高いのはそんなに気にしなくてよいと思います。体温はあくまで体温で卵巣の機能の反映でなく、黄体ホルモンとかかわりが深く、あまりあてになりません。
 妊娠できるかどうかは、やはり年齢がいちばん大きな要因となります。原始卵胞は35才ぐらいからどんどん減って45才ぐらいでなくなってしまいます。
 妊娠できるかどうかは、あなたの卵巣内に1人の人間になる元気な卵子がまだ残っているかにかかっています。
 出産までいけるかは、43歳ぐらいが限界です。44~45歳での妊娠は、ほとんど流産になります。

 妊娠できるチャンスは、人によって全く違い、避妊していないとすぐにできてしまう人から、何年経ってもなかなかできない人までいます。
 毎月きちんと排卵があっても、年12回しかチャンスはありません。チャンスは、意外に少ないと思います。月経不順ならもっと排卵は少なく、質問のように4~5回位の人もいるかと思いますが、排卵=妊娠ではありません。妊娠できる元気な受精卵ができてはじめて妊娠につながります。
 体外受精で受精卵を見ると、10個受精卵ができても赤ちゃんまで育つことができるのは平均1~2個と言われており、10個中平均5~6個は染色体異常です。年齢・卵巣の状態によりチャンスは全く違い、"人それぞれ"ですので一概には言えません。


 一生懸命子作りしていれば、半年で6~7割の人が妊娠し、正常ならば1年で9割妊娠し、2年で10割妊娠します。妊娠しなければ不妊症です。
 子宮が正常、排卵もあるというのは、自然妊娠できる条件があるというだけで、妊娠できる保証でも正常の保証でもありません。というのは、排卵された卵が卵管へ入り、受精し、分割し、子宮へ着床するという全行程のどれも確認されていないからです。検査で正常で妊娠できなければ、今あげたどこかに異常があり、より重症とも言えます。




               
               
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